育児&幼児教育サポーターのUmiです😊
♦︎「同調」ではなく「調和」を育む保育・育児とは?
〜自分らしさを大切にしながら共に生きる力〜
これまでの日本社会や教育現場では、「空気を読む」「みんなと同じであること」が重視されてきました。幼少期から「周りと同じようにすること」が良しとされ、無意識のうちに「同調」が求められてきたのです。
けれど、これからの時代はどうでしょうか?
多様性や個性の尊重、ウェルビーイング(心身ともに満たされている状態)がキーワードとなる今、必要なのは「同調」ではなく「調和」だと思いませんか?
♦︎「同調」と「調和」は似て非なるもの
一見似ているこの2つの言葉には、大きな違いがあります。
- 同調:自分の意見や気持ちを抑えてでも、周囲に合わせること。外発的。
- 調和:一人ひとりの違いを認めた上で、全体のバランスをとること。内発的。
つまり、「同調」は自己犠牲のもとに成り立つことが多いのに対し、「調和」は自分を大切にしながら他者と共に生きる姿勢なのです。
♦︎オーストラリアの幼児教育(EYLF)が示す「調和」の在り方
私がオーストラリアで学び、実際に保育園で働いて実感したのは、この「調和」を育てる保育の大切さでした。
オーストラリアの幼児教育の国家ガイドラインであるEYLF(Early Years Learning Framework)では、子ども一人ひとりの個性と主体性を尊重する「child-centered(子ども中心)」の教育方針が基盤となっています。
EYLFには5つの学習成果がありますが、その中でも特に「Learning Outcome 1:子どもが自分自身のアイデンティティを持ち、強く感じられること」は、まさに自分らしさを育てることにフォーカスしています。
子どもは、自分で考え、選び、行動する力を持っています。
その力を大人が信じ、環境を整え、対話しながら伸ばしていく。
それがEYLFの根幹にある姿勢であり、「調和」の土台でもあります。
♦︎なぜ「調和を育む保育」がこれからの日本に必要なのか
これからの社会は、価値観も働き方も人間関係のあり方も、ますます多様になります。
一人ひとりが自分らしさを発揮しながら、他者と協働し、共によりよい未来をつくっていく力――それこそが、「調和力」です。
しかし、「同調」することに慣れてしまった私たちや子どもたちは、自分の気持ちがわからなかったり、他者と違う意見を持つことに不安を感じたりするかもしれません。
だからこそ今、保育の現場でこそ、「自分を大切にしながら他者とつながる力=調和力」を育むことが必要なのです。
♦︎具体的にどうすれば「調和」を育めるのか?
オーストラリアの保育現場でのアプローチの一部をご紹介します。
- ✅ 子どもが自分のやりたいことを選べる「遊び中心(play-based learning)」の時間を大切にする
- ✅ 子ども一人ひとりをよく観察し、その子に合った関わり方や環境設定を行う
- ✅ 「こうしなさい」ではなく、「どうしたい?」という問いかけを通して、自己決定を促す
- ✅ 大人も子どもと「対等な関係性」を意識し、意見を聞き、共に考える姿勢を持つ
これらはすべて、「子どもが自分の声を大切にできる環境」をつくること。そして、それぞれの違いを認め合いながら、共に心地よく過ごす「調和の力」を自然に育む保育・育児です。
これからの時代に必要なのは、「言われた正解に従う子」ではなく、「自分の考えを持ちつつ他者と共に生きていける子」。
EYLFが大切にしている「子ども中心の保育」は、まさにそのための実践的な指針です。
日本の保育・教育現場・育児にも、「同調」から「調和」へと視点を変えることで、子どもたちの未来はもっと自由で、あたたかく、しなやかに広がっていくのではないでしょうか。
今日もみんなが笑顔で過ごせて
穏やかに熟睡できますように🩵
コメント