子どもを「評価」しない保育 〜成長を見守るオーストラリアの“ドキュメンテーション”とは?〜

育児&幼児教育サポーターのUmiです😊

 

「この子は成長が早いね」「あの子はまだ○○ができていない」──

私たち大人はつい、子どもの発達を“比べて評価”したくなってしまいます。

でも、オーストラリアの幼児教育では、
「記録し、振り返り、共有する」という形で、子どもの成長を見守っていくスタイルになっています。

それが、「ドキュメンテーション(Documentation)」という考え方です。

 

 

♦︎ ドキュメンテーションって何?

ドキュメンテーションとは、子ども一人ひとりの“今この瞬間”の姿を丁寧に記録し、可視化し、振り返るプロセスのこと。

 

単なる記録帳や報告書とは違って、

  • どんなことに夢中になっていたか
  • どんな言葉を発したか
  • どんな気持ちで取り組んでいたか
    など、その子の「今」をまるごと肯定的に捉えるのが特徴です。

 

 

♦︎なぜ「評価」ではなく「記録」なのか?

日本では「できる/できない」「年齢相応かどうか」に焦点が当たりがちですが、
オーストラリアの保育では、“その子がどんな学びのプロセスにいるか”に注目します。

つまり、「まだできていない」ではなく、
「挑戦してみた」「面白がっていた」「工夫していた」という行動や気づきを価値ある学びとして捉えるのです。

 

こうした見方に立つことで、

✅ 子どもの個性やペースを尊重できる

✅ ありのままを受け止める土壌ができる

✅ 保育者自身も“見守る姿勢”が育つ

という好循環が生まれます。

 

 

♦︎ドキュメンテーションの実例(オーストラリアの保育現場より)

保育園の壁に、子どもたちの写真や言葉、遊びのエピソードがこんな風にまとめられていました:

📸「今日のクレア:スカーフを空に投げて、“ふわ〜!”と笑顔に」

👉 クレアは布の動きに興味を持ち、繰り返し実験していた。重力や空気の流れに自然と触れている。

このように、大人が解釈を添えて学びとして記録することで、
一見何気ない遊びも「その子の探究心のあらわれ」として価値づけされます。

 

 

♦︎ドキュメンテーションがもたらす3つの効果

1. 子どもに「あなたのこと、ちゃんと見てるよ」と伝わる

自分の写真や言葉が壁に貼られていることで、子どもは「受け入れられている」という安心感を得ます。

 

2. 保護者との共有がしやすくなる

「今日、こんなことがありました」と言葉で伝えるより、写真やコメントを通して『“見える化”された記録』があると理解しやすく、信頼関係が深まります。

 

3. 保育者自身の“気づき”が増える

記録することで客観的に振り返ることができ、「この子、前よりこんなことができるようになった」と気づく目が育ちます。

 

 

♦︎日本の家庭や園でもできる!ドキュメンテーションの始め方

まずは、難しく考えず、小さな1コマを切り取ることから始めてみましょう!

  • 子どもの何気ない遊びの様子を写真に撮る
  • 会話の中で出てきた「名言」をメモしておく
  • それに大人の「気づき」や「感じたこと」を一言添えて、記録として残す

日記のように、スマホやノートに簡単に残すだけでも十分です。

やがてそれが積み重なると、【その子だけの“成長の物語”】が浮かび上がってきます☺️

 

 

♦︎できる・できないの先にある“その子らしさ”

子どもは、誰かと比べるために生まれてきたのではありません。

そして、「完璧にできたこと」よりも、「夢中になったプロセス」にこそ、その子らしさが現れます✨

ドキュメンテーションは、その子ども一人ひとりの“らしさ”と“育ちの軌跡”を尊重するツール。

「この子は、どんな世界を見ているんだろう?」

そんなまなざしで記録を続けることが、子どもにとって何よりの愛情であり、大人自身の気づきと喜びにもつながっていきます。

 

今日の何気ない日常の一瞬を、ぜひ切り取って記録に残してみてください😊

 

 

今日もみんなが笑顔で過ごせて
穏やかに熟睡できますように🩵

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