心も身体も“安心して存在できる場”をつくる保育「マズローの欲求5段階説 × EYLF (Outcome:3) 」Vol.②

育児&幼児教育サポーターのUmiです😊

 

前回は、マズローの「人間の欲求5段階説」とオーストラリアの幼児教育(EYLF)には重なる視点がある、というお話をしました。

今回はその中でも、最も基盤となる 「生理的欲求」と「安全の欲求」について深掘りしていきます🌱

 

 

♦︎生きるために必要な「土台」が満たされているか?

マズローのピラミッドの一番下にあるのが「生理的欲求」。

食事・睡眠・排泄・休息など、生きるために欠かせない身体的なニーズのことですね。

そしてその上にある「安全の欲求」は、安心・安定・予測可能性といった“心の土台”に関わる部分。

この2つが不安定だと、子どもはその上にある“学び”や“社会性”にエネルギーを向けることができません。

 

 

♦︎EYLF Outcome 3:心と身体の健康を支える環境づくり

EYLF(Early Years Learning Framework)のOutcome 3は、まさにこの「生理的欲求・安全の欲求」と深くつながっています。

 

Outcome 3のゴールは、子どもたちが:

  • 自分の身体や健康について知る
  • 健康で安全な生活習慣を身につける
  • 快適さや心地よさを感じる力を育む
  • 安全な環境の中で安心して自己表現する

という経験を通して、自分の「健やかさ」や「安心」を感じられるようになること。

これって、単に“怪我をさせない”とか“お昼寝させる”という話ではなく、

「自分は守られている」「心地よくいられる」という感覚を、日常の中で積み重ねていくということなのです。

 

 

♦︎大切なのは、“してあげる”より“気づけるように支える”

たとえば、保育の現場でよく大事にされるのが:

「泣いてから動くのではなく、泣く前のサインに気づいて整えておく」

という視点。

 

お腹が空いていないか、眠くなってきていないか、排泄のタイミングではないか。

子どもが自分では言葉にできない状態を、保育者が観察し、予測し、必要なサポートを届けること。

 

でも、それと同時にEYLFでは、子ども自身が「今の自分」に気づき、整える力を育てることも大切だとされています。

「なんだか疲れたな」

「ちょっと横になりたいな」

「お水飲んだ方がよさそう」

そんなふうに、自分の身体の声を聞く力。

それを、安心できる環境の中で育んでいくことが、EYLFのOutcome 3の大きなポイントなんです。

 

 

♦︎まずは「ここは安心していられる場所」と感じてもらうことから

子どもにとって、「この場所は安心できる」「私は大切にされている」と感じることができれば、
初めてその先の社会的な関わりや、学びに向かう土台が整います。

だからこそ、EYLFでは“Belonging(安心して居られること)”が最も大切な価値観とされているのです。

保育者が子どもを守る存在であると同時に、
子ども自身が“自分の快・不快を認識してケアできる存在”へと育っていく。

それを支えるのが、私たち大人の「見守る力」と「環境づくりの工夫」なのです。

 

 

 

マズローの理論とEYLFを照らし合わせてみると、「人が育つとはどういうことか?」を改めて見直すきっかけになります。

 

次回は「社会的欲求(愛と所属)」にフォーカスして、
EYLFのBelongingや人間関係にどうつながっているかをお届けします✨

 

 

今日もみんなが笑顔で過ごせて
穏やかに熟睡できますように🩵

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